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【実務例】現場へ行かずに「デスクで測量」? 建設・インフラ現場の移動コストを最小化する点群データ活用術

建設工事や社会インフラの維持管理において、もっとも工数がかかる作業のひとつが「事前の現場調査」です。橋梁の高架下、急峻な法面、あるいは交通量の激しい道路脇など、調査が必要な場所は常に過酷な環境にあります。

こうした場所でも、これまでは交通規制をして高所作業車を手配し、人力での作業を余儀なくされてきました。
今、こうした現場の「当たり前」が3D点群データの活用によって劇的に変わろうとしています。「とりあえず現場を見てくる」という移動工数を最小化し、デスク上で計測を完結させる。本記事では、点群データを活用した次世代の現場調査の実務例を詳しく解説します。


目次

なぜ、現場調査に「点群データ」が必要なのか?

建設・インフラ現場におけるアナログな計測には常に「見えないコスト」と「リスク」がつきまといます。これまで当たり前だと思っていたプロセスをデジタルの視点で見直してみると、そこには膨大な損失が隠れていることがわかります。

アナログ調査の限界と現場再訪の無駄

高所や狭所、あるいは崩落の危険がある現場での計測は、作業員に転落や接触事故のリスクを強いることになります。安全帯を締め、細心の注意を払っていても、物理的な距離がある場所での計測には限界があります。また強風や雨天といった天候不良によって調査が延期になれば、それだけで工期全体に影響を及ぼします。

さらに、従来のコンベックス(メジャー)による計測は、構造物が複雑になるほど測定ミスや記録漏れが起きやすくなるのが実情です。計測漏れに気づかずに事務所に戻ってしまうと、測り直しのために再び現場を訪れるという時間と労力の無駄が発生してしまいます。

こうした不正確なデータに基づいた施工計画は、現場での手戻りや安全上の重大な欠陥を招く遠因ともなりかねません。

「現場をまるごと持ち帰る」という発想

点群データは、レーザースキャナによって現場の形状を「点の集合」として記録した「現場のデジタルコピー」です。一度スキャンしてしまえば、現場の立体的な形状がすべてPCの中に再現されるため、

「あそこの高さが知りたい」「この部材の幅は?」といった疑問に対し、現場に戻ることなくデスク上で答えを出せるようになります。


実務が変わる!点群データ活用 3つの具体シナリオ

点群データは単に綺麗に見える3Dモデルではありません。実務においてどのようなメリットがあるのか、具体的な3つの活用シーンを見ていきましょう。

① 足場設置・重機手配前の「先行計測」

橋脚や法面の補修など、足場を組まなければ本調査ができない現場において、点群データは真価を発揮します。これまでは「足場がないから詳細な計測ができない、しかし計測ができないと正確な足場計画が立てられない」というジレンマがありました。

そこで、点群データがあれば足場を組む前にデスク上で周囲の寸法を実測可能です。
「この傾斜地に、このサイズの足場を組むスペースはあるか?」「クレーンのアウトリガーを最大まで張り出せるか?」といったシミュレーションをPC上で行うことで、現場での設置ミスや再手配を防ぐことができます。

② 「図面と現況の乖離」を瞬時に把握する

日本の社会インフラの多くは竣工図面が紛失していたり、経年変化や過去の改修によって当時の図面と現況が一致しなかったりすることが珍しくありません。

点群データを活用すれば、図面には載っていない増設された配管や、歪み、周辺の堆積物といった現場の姿を把握できます。これまで現場に赴き、数時間かけて作成していた実測図をデジタルデータによる計測へと置き換えることで、現状を素早く把握できるだけでなく、施工計画の精度を飛躍的に高めることが可能になります。

③ 災害・緊急時の「非接触計測」

地震や豪雨による崩落現場など、人が近づくことが困難な場所での初動調査において、ドローン等で取得した点群データがあれば安全な事務所から被害状況や土砂の量を実測できます。二次災害のリスクを冒すことなく、「即時性」と「安全性」を両立しながら復旧計画を策定することが可能になります。


点群活用のハードルとなる「データの重さ」

点群データの有用性は理解していても、導入に踏み切れない企業には共通の悩みがありました。それは「データの重さ」とそれに伴う「共有の難しさ」です。数GBに及ぶ重い点群データは、専用のハイスペックPCや専門ソフトがなければ閲覧すら難しく、活用できる環境が限られていたのが実情です。

この課題を解決する手段として注目されているのが、「クラウド型点群ビューワー」です。高価な専門ソフトや高性能なPCが不要で、Webブラウザだけで誰もが同じデータにアクセスすることができます。現場と事務所、あるいは発注者との間でのスムーズな情報共有が実現してはじめて、点群データの真価が発揮されます。こうした誰もが閲覧・計測できる環境がなければ、先述した実務での活用は難しいと言えます。

▼参考記事
点群データはどうやって見る?主な閲覧方法を解説

クラウド点群プラットフォームMONOLIST

点群を活用可能なプラットフォームMONOLIST

クラウド型点群ビューワーのメリットを最大限に活かし、現場のニーズにあわせて最適化したプラットフォームが、エム・ソフトの提供する『MONOLIST(モノリス)』です。

インストール不要、ブラウザで大規模点群をストレスなく表示

MONOLISTは専用ソフトのインストールが不要で、ChromeやEdgeなどのWebブラウザがあれば、大規模な点群データをストレスなく表示することができます。専門知識は一切不要。直感的なインターフェースにより、点群の操作から計測までをスムーズに行うことが可能です。

3D空間に情報を集約、現場の知見を蓄積

MONOLISTは点群データ上の3D空間に、損傷や変状、機器や設備を登録し、写真やメモを紐付けて一元管理することが可能です。

例えば、橋梁やトンネルなどの社会インフラ点検では、変状箇所に補修メモを追加したり、工場の設備保全においては、機器情報やメンテナンス履歴と連携させることで、場所と情報を視覚的に一致させて管理することができます。

3D点群データと現場の情報をまとめて管理することは、情報の散逸を防ぐだけでなく、現場の情報を資産として蓄積し、誰でも活用できる状態にすることに繋がります。


まとめ:現場に行くのは「作業」の時だけでいい

建設・インフラ管理において、現場に足を運ぶ重要性は今後も変わりませんが、寸法計測や状況確認のためだけに移動時間を費やし、危険な場所に身を置く必要はありません。

点群データを取得し、クラウド型プラットフォームで共有・管理することで、物理的な移動コストを最小化し、現場監督やエンジニアはより本質的な安全管理や、施工品質の向上に時間を割けるようになります。

まずは第一歩として、特別な環境を必要としないクラウドでの点群データの活用から始めてみてはいかがでしょうか。


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